七夕
こういうわけです
先ず
酔った，悩ましいかれんちゃんを前になんとか自制心をもって勝利した勝利君，しかし，その後部屋で自分自身の戦いには敗れたというのはあまり気の毒な気がするが，，，，
本文より抜粋
今，明るい日の光のもとで見ると，イケナイコトどころか，ばかばかしくて笑ってしまうほどだった。情けないと言おうか，お恥ずかしいと言うべきか，これじゃほとんど変態じゃないか。丈になんと言われても反論のしようがない。つくづく落ち込みながら，僕は横になったまま，重ね貼りした裸の写真をはがそうと手を伸ばした。
−そういうことです，でそれから−
ベッドの真ん中に彼女を寝かせて，僕は，もう一度ゆっくりと唇を近づけた。その瞳をのぞき込む。かれんの熱い息が頬にかかる。ゆうべとは違って，彼女はちゃんと目を開けてくれていた。
と，そのときだ。かれんの瞳がふっと動いて，上を見上げた。僕の頭を通り越して，ヘッドボードの真上あたりを見ている。
（・・・・・・・？）
視線をたどっていく。
（げ。やっ・・・・・・べぇ・・・・・）
棚の裏側で，裸のかれんがこっち見て笑っていた。じつはさっき，一度ははがしかけたものの，急にもったいなくなってやめたのだ。せっかく苦労して貼ったんだし，まあ，もう一晩くらい，と・・・・・・。それがいけなかった。
−そら，（気持ちわからんでもないがぁ，）いかんはなぁ，でそれから−
「ショーリの，バカ！」
−てなぁわけで，二人はちょっとした臨戦態勢に入ってしまうのですが，勝利がかれんがなくした傘を懸命に探してきて，殊にお気に入りの箇所にいたるわけです。それでもって−
僕は小声で訊いてみた。
「そういえばさ。こないだの七夕さまん時にしていた願いごと，あれ，叶ったのか？」
遠ざかっていく丈が，京子ちゃんに何か言って，背中をどつかれている。
「うん」
と，かれんのささやき声。
「じゃ教えろよ。何をお願いしたんだ？」
「そんなの，決まってるじゃない」
「なに」
「『ショーリと仲直りできますように』って」
「お前が，一人で怒ってたんだろ」
「でも，ショーリがいけないんでしょ」
「・・・・・・・・・・・・」
僕がこっそり後ろにまわした手を，ひんやりとした指先がそっと握り返してくる。
−−僕らの夏が，ようやく始まろうとしている。
−おいコいが完結して，シリーズを振り返っても，ここらへんて，もっとも幸せな箇所なのだろう，んで，こんなこと書いている自分が変態？っまとにかく，ちょっと即発されたんでたにぬねのオリジナル作品，初詣ートとでもかきはじめよかなぁ−
戻る
ホッと
お気に入り
Nus（たにぬねの2と読む）